TIAの事業・活動

かけはし概要

『かけはし』の画像TIA連携プログラム探索推進事業は、TIA中核5機関(産総研、NIMS、筑波大、KEK、東大)が組織の枠を超えて連携し、新領域を開拓するための調査研究や連携活動を支援する事業です。異なる専門の技術と知見を持ち寄り、公開の研究会やセミナー、展示会などによって外部の人やノウハウ、研究資源や資金を巻き込んで、大型連携研究開発や事業へと育てていくことを目指しています。

 

 多様な連携形態

  1. 異なる分野・技術の融合
    TIA 2機関の連携から始めて、技術シーズを創出・融合・発展させます。
  2. 技術シーズの普及
    研究会、ワークショップ、コンソーシアム、展示会などの活動によって技術シーズを普及促進させます。
    → 「かけはしイベント」のページ参照
  3. 技術シーズの応用および事業化
    技術シーズを事業化に向けて応用発展させるための研究開発プロジェクトを立ち上げます(公的予算の獲得や企業との共同開発)。
  4. 技術シーズと企業ニーズのマッチング
    企業ニーズに基づく技術課題とTIAの技術シーズを組み合わせて、共同研究立上げに向けた調査研究を実施します。

『かけはし概要』の画像

 

I. 技術シーズの融合と創出

金属3Dプリンタとは、数十ミクロン厚さの金属粉末層をレーザ照射によって選択的に固化し、積み上げて形を作る技術です。レーザ照射によって、粉末が溶融、蒸発、固化など相変化を複雑に起こすので、現象の理解のためにはその場観察が不可欠です。かけはしによって、積層造形の研究者(産総研)と、金属材料および評価技術の研究者(NIMS)が連携し、加工中に近い状態での金属粉末の溶融凝固挙動の観察を実現しました。

『kakehashi(金属3DP)』の画像
金属粉末の溶融挙動のその場観察


生細胞から細胞内小胞を選択的に取り出して解析することは、細胞間の情報伝達のメカニズムの解明に有効な技術として期待されています。特に、細胞内小胞の多胞性エンドソーム内にあるエクソソームはがんの診断材料として注目され、低侵襲の検査手法につながると考えられています。かけはしでは、NIMSによって開発された融合蛋白質によるエンドソームの標識技術と、産総研のAFMカンチレバー型ナノニードル技術の融合によって、細胞内小胞を選択的に取り出すことに成功しています。

『『kakehashi(ナノニードル)』の画像』の画像
ナノニードル


産総研提案の分数磁束量子は位相差空間を使って量子を分割するアイデアで、低消費電力で高速動作が可能な超伝導コンピューター用メモリの大容量化や量子コンピューターにつながる技術と期待されています。AISTのTIA共用施設CRAVITYで作製した超伝導デバイスと、NIMSの量子計測技術の連携によって、分数磁束量子渦の実験的生成と観測に成功しました。

『kakehashi(量子分割素子)』の画像
量子分割素子

 

III. プロジェクト展開と事業化

自動車用の先端材料やリチウムイオン電池などの開発において、プローブに中性子を用いた構造解析が注目されています。しかし、今日まで中性子を用いた構造解析は、原子炉などの大型実験施設に限られてきました。かけはしでは、ラボでも利用可能なポータブル中性子構造解析技術の実現に向けた調査を行い、小型中性子源を活用した技術開発に着手しました。その足がかりとして、試作した中性子フラットパネルディテクタを用いて鮮明な中性子ラジオグラフィを得ることに成功しています。引き続き、本構想を実現するために機関横断型の連携体制を構築し、産総研、NIMS、KEKおよび理研によるプロジェクトへと展開しています。(NEDOプロジェクト「革新的新構造材料等研究開発」)

『kakehashi(xray画像)』の画像 『kakehashi(neutron画像)』の画像
2.5インチHDDのX線透過画像(左)と中性子透過画像(右)

プロジェクト化・事業化に貢献したその他の事例