TIAの事業・活動

バイオ・医療

TIAは従来から先進的ナノテクノロジー分野だけではなく、その技術をバイオ・医療分野に応用すべく筑波大学を中心としてその研究開発を行ってきました。その後の東京大学の参画とTIAの連携プログラムである「かけはし」による研究領域の拡大・連携の推進によって、この分野における研究成果の実用化や事業化へと発展してきました。
 



ナノバイオ

  物質・材料の創製から評価、デバイス化、システム化までを一貫して実施できるTIAの強みを生かし、ナノバイオ領域への展開が期待されています。筑波大学に「筑波大学つくば臨床医学研究開発機構(T-CReDO)」が設置され、ナノバイオでは特に重要な社会実装のための実証・臨床試験を支援する仕組みが整備されつつあります。TIAでは、T-CReDOと連携し、基礎的研究からシーズ育成、実証・臨床研究までをシームレスに繋ぐナノバイオプラットフォームの構築とライフイノベーション・インキュベーターの創出を目指します。
●筑波大学つくば臨床医学研究開発機構(T-CReDO)
 http://www.hosp.tsukuba.ac.jp/t-credo/

ナノバイオ
 



微生物の制御と利用の新たな技術

  微生物には人知を超えた多様な種が存在し、それぞれが多様な能力を持っています。地球の生態系は微生物で溢れており、微生物と動物、植物、他の微生物の関わり合いによって生態系が守られています。しかし、最先端の科学によってもこの多くが未解明のままとなっています。未知の微生物の新たな力や他者との関わりを探る新たな技術の構築と解明によって、水と土を守り、人類の食と健康を守るイノベーションを目指して研究開発を進めています。具体的には、独自に開発した顕微分光技術等を用いた腸内細菌とヒト、病原菌と植物、微生物同士の分子レベルでの相互作用を研究し、プロバイオティクス、作物病害の防除、水処理技術の改善等のイノベーションに貢献する微生物制御の研究に取り組んでいます。また、バイオマスプラスチックの原料の開発、健康を守る抗酸化アミノ酸や機能性化合物の開発などの微生物発酵による生産、発酵生産菌等の微生物の利用のための研究も進めています。

微生物
複雑な微生物複合系と微生物を用いたものづくりへの応用
 



BNCT

  近年、難治性がん、再発がんに対する治療法として中性子線と薬剤を組み合わせた放射線治療であるホウ素中性子捕捉療法(BoronNeutron Capture Therapy, BNCT)が注目されています。筑波大学は、高エネルギー加速器研究機構などの研究機関、重工メーカー、及び、茨城県、つくば市と連携し、病院内設置が可能な小型加速器ベースのBNCT用治療装置:iBNCTの開発研究を行っています。BNCTを実施するためには、患者に照射する中性子ビームを高精度、かつ、リアルタイムに計測できる技術等が合わせて必要となります。そこで筑波大学は、産業技術総合研究所・計量標準総合センターと連携し、BNCT用の中性子計測技術の研究開発を行っています。今後、iBNCTでの臨床研究等を実施するとともに、医療応用可能な中性子計測装置の開発を進め、これら技術のがん治療現場への実用化を目指します。

BNCT