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広報活動

カーボンナノチューブ(2022年3月 TIAでの活動終了)

多層カーボンナノチューブ(MWCNT)の商用化が進む中、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)の実用化も加速させるため、量産技術の改良による大幅なコストダウンの実現と共に、用途を広げて需要を拡大させることが求められています。そのため、カーボンナノチューブ複合材料の特性とその分散状態との関係を明らかにできる分散評価技術などを開発し、応用製品開発を支援すると共に、鋼の20倍の強度、銅の10倍の熱伝率、アルミの半分の密度、シリコンの10倍の電子移動度といったSWCNT本来の優れた特長を損なわない、夢の革新的応用製品創出に貢献することを目指しています。

 



単層カーボンナノチューブの大量生産技術開発

スーパーグロース法カーボンナノチューブ工場(日本ゼオン徳山工場)
スーパーグロース法カーボンナノチューブ工場(日本ゼオン徳山工場)

  スーパーグロース法を基盤技術としたSWCNTの量産技術開発を進め、大面積(500 mm角)でのSWCNTフォレスト(バルク)の連続合成で、世界初の商業規模での製造工場が建設されました。
  さらに、複合材料応用製品などの用途開発を促進するために更なるコストダウンを目指し、新たなプロセス開発によって、より安価な大量生産技術の構築も目指しています。

 

 

CNTアライアンス・コンソーシアム

カーボンナノチューブアライアンスコンソーシアム
カーボンナノチューブアライアンスコンソーシアムの概念図

  拠点活用プロジェクト「低炭素社会を実現するナノ炭素材料実用化プロジェクト」の成果を受け、「カーボンナノチューブ(CNT)アライアンス・コンソーシアム」を設置しました。産総研が進めるイノベーションコンソーシアム型共同研究として、さまざまな企業がオープンプラットフォームやクローズドプラットフォームで研究開発することが可能です。CNT材料の評価、プロセス、安全性などの技術をもつ産総研の研究者がチームを組んで参画し、一丸となって橋渡しに取り組んでいます。
  下記のOリングやPEEK/CNTは、この「CNTアライアンス・コンソーシアム」のオープンプラットフォーム共同研究第1号であるCNT複合材料研究拠点から生まれた成果です。民間企業、産総研、TIAが一体となり、日本発のCNT産業の創出を目指しています。

 

 

SWCNT複合材料応用製品の販売開始

  スーパーグロース法を基盤技術としたSWCNTを含有した耐熱Oリングを世界で初めて実用化し、共同研究先より「SGOINTR(スゴイン)」という名称にて販売を開始しました。長期シール性の目安となる性能を大幅に改善し、高温・高圧環境下に適したOリングを提供しています。

 



熱や衝撃に強いMWCNT樹脂複合材料の開発

  SWCNTだけでなく、より安価なMWCNTの特性を活かした樹脂との複合材料開発も進めています。高温で優れた強度を示すスーパーエンプラの代表であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)との複合化では、帯電防止領域での均一な導電性に加え、母材より優れた高温引張強度や形状保持性、高い衝撃強度を示すPEEK/CNTを開発しました。

 



熱や衝撃に強いPEEK/CNT複合素材
熱や衝撃に強いPEEK/CNT複合素材
 

TIAを活用するプロジェクト