TIAの事業・活動

光・量子計測

物質の本質や生命の起源を探求する基礎科学の先駆的研究では、世界中の大型加速器放射光をはじめ、最先端的な光・量子計測研究を駆使して進められています。「光・量子計測」では、TIA中核6機関の大型放射光研究施設や先進的な光・量子計測研究を積極的に連携させる活動を行っています。新しい学術領域の創発は日本の次世代イノベーションを育成するものと考えます。その為、TIA中核6機関それぞれの持つ特色ある基礎研究と、産業に直結する開発技術を結び付ける連携活動が、創発的なイノベーションを起こすカギとなるものと考え支援しています。たとえば、高性能な光・量子ビーム発生装置の研究開発には高感度・高精度・高分解能な光・量子計測の研究開発が不可欠で、これらは新たな物質研究の門戸を開き新たな知見、生物・生体メカニズムの基礎研究など発展させます。新学術領域的な研究開発が進められるような環境や研究連携活動を支援しています。

 

創発的な基礎研究の連携

  大型放射光研究開発と材料研究開発を連携させた創発的な連携では、「医療画像撮影に不可欠な材料テクネシウムの製造」「高機能な構造材料」「次世代半導体エレクトロニクス材料」「環境・エネルギー材料」等の基礎研究・開発が進んでいます。TIA中核6機関の持つ先進的な基礎研究・開発を連携する為の支援をしています。

ERL600
 コンパクトERL加速器の研究開発



 



光・量子ビームの研究開発と応用

  研究現場、医療現場や産業界でも設置できる中型の光・量子ビーム光源の研究開発を進めています。大型加速器の研究開発で得られた成果やTIAのSiCパワー半導体の応用で、コンパクトで高性能・省エネルギーな加速器を目指しています。創発的な研究や医療、産業界の新しいツールとしての光・量子ビーム源(X線、中性子、ミュオン)の利用拡大が進んでいます。たとえば放射光源を使ったXAFS-CT装置は、材料の化学状態(電子状態)の3Dマッピングを可能にし、応力印加のもと、50nm以下の高空間分解能で観測できるユニークな装置です。応用の一例として、航空機用構造材料の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の亀裂起点のin-situ観測が可能となり、劣化の起点生成・進展・破壊にいたる現象の理解と制御に不可欠な情報を得ることが出来ます。

XAFS-CT600
 XAFS-CT装置の研究開発
 

 

光・量子センシングと計測技術

  超伝導検出器やSOI(Silicon-On-Insulator)半導体検出器等の高感度、高性能、高分解能の新型検出器の研究開発を支援しています。宇宙線や放射線、加速器が生み出す量子ビームを利用する基礎科学研究、医用・医療研究、社会インフラ診断等の多様な分野での計測・診断技術の革新を支える研究を支援しています。